凄いの一言、文化庁長官表彰を受けた女性初の1級酒造技能士
- sakaegakku
- 9月20日
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「王紋酒造」(新潟県新発田市)で約40年間酒造りに携わり、女性として日本で初めて1級酒造技能士となった椎谷和子さん。女性蔵人として初めて責任的立場を与えられて活躍した功績が認められ、昨年12月には文化庁長官表彰を受けた。
農家だった1965年、知人から「王紋酒造でおかって(炊事)の働き手を探しているけど、やってみない」と誘われた。当時24歳。すでに2児の母だったが、近所の若者たちが外で働いているのを見て羨ましく思っていたことから、首を縦に振った。
最初の1年は洗い物や掃除といった雑用をこなし、2年目からは発酵状態や味の分析、出来上がった酒の搾りや 濾過(ろか) 、火入れを担った。「女人禁制」と言われた酒造りの世界で必死に食らいつく毎日だった。
74年に国家資格「酒造技能士」の検定制度が始まる。76年に受験することを決めた。酒母やもろみの分析、きき酒といった実技のほか、学科試験で問われる内容も清酒製造法から酒税法や細菌学まで多岐にわたる。仕事の合間に杜氏に教わり、家に帰って家事育児をこなした後の深夜にも机に向かった。3時間ほどしか眠れない日が続いた。
結果は一発合格。さらに女性で合格したのは1、2級合わせて自分一人だと聞かされた。「二度びっくりした」。同時に「資格を取った以上は少しでもいいものを作っていかなければ」と気が引き締まる思いだった。
76年には日本初の女性1級酒造技能士となり、2003年に退社。24年度の文化庁長官表彰に選ばれた。

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